尿路結石症

尿は、腎臓でつくられ、尿管という細い管を通って膀胱に流れ込み、ある程度たまったところで尿道から排出されます。この尿の通り道のどこかに結石がある状態を尿路結石症といいます。同じ結石でも、腎臓の中にある状態を腎臓結石、尿管に下がってくると尿管結石、膀胱の中に入ると膀胱結石、尿道では尿道結石、と呼び、場所によって名前が変わってきます。

強い痛みが出ることは有名ですが、実際は多くの場合無症状で、結石が移動した場合、これに対して尿管が石をしぼり出そうとして痙攣(けいれん)のような反応をすることで痛みが発生します。痛みは相当強くなる場合がありますが、命に関わるような危険な痛みではありません。

最も多いのは蓚酸カルシウムなどのカルシウム結石ですが、ほかにも尿酸、リン酸アンモニウムマグネシウム、シスチンなどで結石ができることがあります。体質的なもののほか、食生活や生活習慣も原因になるようです。予防のためには、水分を多く取り、偏食をさけ、規則正しい生活を送るようにすることです。特に、もっとも多い蓚酸カルシウム結石の成分である蓚酸は、ほうれん草、小松菜など、緑の濃い野菜のえぐみや、豆の渋皮などに多く含まれているので、これらの食物のとりすぎには気をつけてください。また、食べるときには、充分なカルシウムといっしょに摂取すると良いといわれています。ほうれん草を食べるときにはかつお節やじゃこなどをたくさんふりかけて、また、渋皮の成分を含んでいるコーヒーを飲むときにはミルクをたっぷり入れて・・・といった食べ方は、理屈にかなっています。